2013年3月29日金曜日

アブラチャン咲きました

本日の山中湖:曇り時々晴れ、最高気温17℃、最低気温2℃

各地からは桜が満開というニュースばかりですが、
富士癒しの森研究所林では黄色のお花達が咲き始めています。

曇りがちな天気でしたが、ゆる~い気温でアブラチャンのお花は次々開花。

トサミズキは満開。下向き加減は何度見ても可愛らしいですね。

バッコヤナギはふさふさで銀色に輝いています。
フジザクラは…早い花芽でこの位です。
とたんにお花達が動き始めていますから、
今年は富士でも開花は早いかもしれませんね。
小鳥たちのさえずりも賑やかになってきましたよ。



2013年3月14日木曜日

冬の山口育英奨学会を訪問

3月13-14日、「癒しの森プロジェクト」の活動を支援してくださっている山口育英奨学会さんをたずねました。
新潟県長岡市小国。豪雪地帯です。
2011年6月に初めて伺った際には、根曲りの様子など、豪雪地帯特有の森林の特徴を観察することが出来ました。
では、雪があるときの森林の様子はどのようなものか、そしてどんな見どころがあるのかを会の方々と一緒に検討することが今回の訪問の目的のひとつにあります。
会の事務所の様子です。雪壁の高さが分かっていただけるかと思います。
 
積雪計はおよそ210cmを指しています。今年の最深は290cmあったそうです。本当に驚くべき豪雪です。
あいにくの雨が落ちてきましたが、スノーシューをはいて森林の中を散策しました。
厚い雪に覆われて、かん木類は雪の下敷きになって、林内は障害物が少なく、夏より自由に歩き回れます。一方、木の枝先は間近に観察できたりします。

尾根の所々では、マンサクの花が見られました。
ところによっては急な斜面を登り降り、アドベンチャー的な要素もあり、山を歩いたという達成感も得られました。
総じて歩きやすかったですが、豪雪地帯特有の雪崩地形や雪庇などによる危険性もあり、子供を連れていく場合は特に注意が必要であることなどが話し合われました。
今後とも、地域特性に応じた森の活用について交流を深めていきたいです。

2013年2月25日月曜日

第10代東京帝国大学総長古在由直

 先日、東京の農学部キャンパスにある農学部図書館入り口で、富士癒しの森研究所にゆかりのある第10代東京帝国大学総長古在由直がひっそりと佇んでいるのに気がつきました。せっかくなので、ご紹介致します。


 富士癒しの森研究所の前身である富士演習林の創設は1925年ですが、そのときの東京帝国大学総長が古在由直です。農科大学の帝国大学への移管、足尾鉱山鉱毒事件の調査、関東大震災後の対応など、数々の仕事を成し遂げた方で、特に農科大学学長時代に朝鮮半島に江原道演習林および全羅南道演習林、樺太演習林、秩父演習林を新設し、総長時代に愛知演習林(現生態水文学研究所)、富士演習林(現富士癒しの森研究所)を新設しています。
 実は、富士癒しの森研究所の敷地内には「古在ヶ原」と呼ばれる原っぱがあり、いつ頃そのように命名されたかは不明なのですが、創設頃の様子が描かれた1935年作成の鳥瞰図には「古在ヶ原」という文字が確認できます。

 PDFが公開されている文献に並松(2012)があります。大変興味深い内容で、もっと古在由直のことを知りたくなりました。並末(2012)でやたらと引用されている安藤(1938)が詳しいようなので、思わずポチっとしてしまいました。届くのが楽しみだなー。

並松 信. 農科大学の課題と教授職の役割 : 古在由直の再評価を通して. 京都産業大学論集.社会科学系列. 2012;29:69-118. http://ci.nii.ac.jp/naid/110009005060/.
安藤 円. 古在由直博士. 西ヶ原刊行會; 1938. http://ci.nii.ac.jp/ncid/BN02856529.


 

まるでパズルゲームのような伐採

本日の山中湖:最低-15℃、最高1℃、晴れ
2月も末というのに、とても寒い日が続きます。
さて、林内のカラマツはしばしば中腐れのため、倒れたり傾いたりするのですが、厄介なことに事務所前の通路沿いで、傾いてしまった木があり、心配の種となっていました。
人数がそろうときにやってしまおうということで、本日は4人がかりで、この木の処理に取り掛かりました。
電線を切ってしまってはいけないので、今回はあえて、隣接する気にもたれるように切り倒して「かかり木」をさせておいて、それから、徐々に根元をひいて処理する、という作戦でやりました。
上の写真は、根元で切ってから、道路の反対側まで引き出したところです。
チルホール、ロープウインチ2台の合計3点方向へ牽引しながら、バランスを取りつつ、また、進み具合に応じてロープを付け替えるという神経を使う作業を繰り返しました。
まるで高度なパズルゲームのようです。そして、どちらの方向にどれだけ引っ張るのか、というのも大事で、チームワークも必要です。

慎重に慎重に何度も作業中断・戦略会議を重ね、2時間以上かかって、無事に引き倒すことが出来ました。
切り株はこの通り、ぼそぼそで、メチャクチャに割れも入り、ほとんど強度がなかったものと思われます。
自然に倒れる前に処理できてよかったです。
 
この近くで、枯れ木を発見しました。
これも十分に通路にかかる位置にあったので、午後はこれの処理にあたりました。
きちんと伐倒方向にロープウインチで引っ張りながら、伐倒したのですが、20度くらい目論見からずれてしまい、奇跡のようなかかり木。
右・左・右・左と立ち木に挟まれた格好でかかってしまいました。まるで大きな柴垣の作成途中のようです。
よくもまあ、その狭い隙間を、と感心してしまいましたが、感心している場合ではありませんね。
これも、ああでもない、こうでもない、と戦略会議しながら、無事に倒すことが出来ました。
ちょっと頭の体操になったような一日でした。
なんにせよ、安全に終われてよかったです。



2013年2月22日金曜日

冬の鳥たち(2)

本日の山中湖:最低気温-12℃、最高気温2℃、晴れ時々曇り

気温はまだまだ低く、残雪もありますが、
陽射しの変化、花粉の飛来をほのかに感じ、にわかに春の気配。
雪が解けた地面や、朽ち木、花芽を付けている木々は、
鳥たちのお食事の場となります。そんな様子をこっそり観察。


体がぽてっと大きく厳つい顔をしているシメ。
手前はカワラヒワ。シメよりはずいぶん小柄です。ちょっと保護色の状態ですが分かりますか?
落ち葉をひっくり返し食べ物を探していました。

地面にも降りますが、ひたすらフジザクラの花芽をついばんでいたのが、
ウソ(写真は♀)。
なんとも可愛いらしい風貌なのですが、
くちばしに花芽のカスをくっつけて、あまりの食いっぷりに驚きです。


こちらはアカウソ♂。頬から腹にかけての淡い紅色が美しいですね。
この固体もまた、フジザクラの花芽を片っ端から食べていました。
今年の開花に影響してしまうんじゃないかと思うほど!

朽ち木の穴をのぞいたり、つついたり。
地面にも降りてキョロキョロする素振りがなんとも楽しいアオゲラ。

小さな生き物のたくましさに感動しつつ、
見ていて飽きることはない彼らとの出会いが楽しみです。

2013年2月14日木曜日

『淡青』の取材

本日の山中湖:最低気温-9℃、最高気温6℃、曇り時々晴れ
今日は朝から東京大学広報誌『淡青』の取材で3人来所されました。
まずは林内へご案内。
プロのカメラマンの腕にかかると、富士癒しの森研究所の林内はどう写るでしょうか。
雲が多い一日でしたが、陽ざしがあって雪がきらきらと輝いていました。
午後は所長のインタビューが行われました。
三月上旬の気温だった山中湖ですが、東京から比べると気温は低く、
残雪で足元が悪い状態でしたが、無事に取材が終了して良かったです。
完成が待ち遠しいですね。

2013年2月2日土曜日

暖冬の散歩みち

本日の山中湖:最低3℃、最高15℃、曇りのち晴れ
まるで春のような一日でしたが、本日は東大職員の皆さん向けのガイドイベント「冬の散歩みち」。
一面に雪は残っていて景色は冬ですが、肌に触れる空気はすっかり春でした。
冬の森の楽しみは、冬芽観察や、動物の痕跡観察。
歩きながら、観察ポイントを見つけては、立ち止まります。
今回は、雪解けが激しいため、動物の足跡は観察しにくかったですが、リスや野鳥が食事した痕跡をよく観察することが出来ました。
湖畔のコブシを見上げると花芽がいっぱい。
今年の春はコブシの花がいっぱい咲きますね。開花が楽しみです。
午後は、かろうじて富士山の雲が晴れる瞬間があり、すかさず、富士山をバックに記念写真をパチリ。
来週の中ごろにはまた雪の予報が出ています。また景色の白さが増しそうですね。