2010年10月6日水曜日

東大職員特別ガイド「富士演習林のきのこ」



10月2日(土)に東京大学教職員向け特別ガイド「きのこに親しむ」が開催されました。このイベントは昨年に引き続き、2回目となります。今年度は41名の参加があり、午前と午後の2回に分けてキノコ採取を行いました。


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午前中は「食べられるキノコを探す」という目的で、ハナイグチなど富士演習林で主に採れる4種類のキノコを探しました。思い思いに林内に散らばって探すと、あちこちで歓声が上がります。


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採ってきたキノコはブルーシートに広げて分類し、その特徴と毒キノコの見分け方(実は、全く法則がない!)について「キノコ先生」こと斎藤助教が説明しました。


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夏場の異常気象のため、昨年に比べるとキノコの発育は決してよくありませんでしたが、参加者の努力と根性で(?)キノコ汁を楽しめるだけの量を採ることができました。


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お昼にはお待ちかねのみんなで採ったキノコが入ったキノコ汁


キノコ採取はキノコを採って持ち帰りみんなで食べるのが楽しみの一つです。


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午後には「あらゆるキノコを採取する」という目的で、午前とは異なる場所を4班に分かれてキノコ採取を行いました。


こちらはノボリリュウ。主に2種類があるそうです。変わった形をしていますね。


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こちらはタマゴタケが地上に出てきたところ。これが24時間以内に見事なキノコの形になります。


こうした寿命の短さもキノコの魅力だといえるのかもしれません。


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最後に、採取した様々なキノコの特徴を解説し、キノコの多様さ、面白さをみんなが感じて本イベントは無事に終了しました。


普段はなかなか立ち入らない森林の中で、五感をフル活用して必死にキノコを探す中で、少しだけ野生の感覚を思い出して頂いたかもしれません。





2010年9月13日月曜日

公開講座「薪・ペレット利用で創る癒しの森」



本日の山中湖:最低17℃、最高31℃、快晴。


国土緑化推進機構の「緑と水の森林基金」の助成を受けて、


また、山中湖村の後援をいただき、公開講座「ペレット・薪利用で創る


癒しの森」を開催しました。


9月とは思えない暑さの中、スタッフも含め総勢40人が集まりました。


今回の企画は、込み入った森林の枯れ木や不良木を積極的に薪やペレットと


して使えば、保健休養機能の高い森林が実現しうることを伝えること、山を


持っているけれど管理に困っている住民の方と薪やペレットを使いたいけど


調達に困っている住民の方の出会いの場とすることを目的としています。


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まずは、林内を散策して、手を入れている森林の景観とまったく手を入れて


いない森林の景観を見比べてもらいました。


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実際に木を切り倒すデモンストレーションもしました。


枯れたアカマツと形状不良のカラマツを伐倒しました。


今回は、ロープウィンチという牽引機械を販売されている業者さんに


来てもらい、伐倒方向への牽引と、伐倒後の集材にデモンストレーション


してもらいました。


集材は参加者の皆さんにも実際にロープを引っ張ってもらいました。


元口25cmくらいで5mくらいの生木が楽々と引き出せました。


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次に、超小型ペレット製造プラントを、別の業者さんに持ってきていただき、


丸太→割り木→チップ化→ペレットと一連の製造工程をデモンストレーション


してもらいました。


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このプラントでは採算に乗らないということですが、トラック一台に乗せて


移動でき、現場でペレット製造までできるのは魅力的です。


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お昼は各種のペレット、薪の燃焼機器を並べて、燃焼の様子の観察、


そして、そこで作った料理でお昼です。


今日は、地元野菜のスープ、焼きウィンナー、ポークソテー、チキンソテー、


焼き野菜、焼きトウモロコシ、パン、ご飯、クッキーを作りました。


ほとんどのこることなく、ペロリ。


やはり、火で焼いたものは一味違います。


午後は室内で小講演と熱い意見交換を行い、閉講となりました。


薪やペレット作りを通した森林整備に意欲を示してくれた参加者の方も


多く見受けられたので、今後が楽しみです。





2010年9月8日水曜日

スズメバチの狩り



本日の山中湖:最低16℃、最高30℃、晴れ


9月にしてはやけに暑い日が続きます。


今年はハチの動きも活発なようです。


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バタバタという音がしたと思ったら、もつれ合ったトンボと


スズメバチが落ちてきました。


どうやらスズメバチが飛行中のトンボを狩ったようです。


しばらくもみ合っていたものの、しばらくしてトンボはとどめ


を刺され、動かなくなりました。


スズメバチは胸の筋肉だけを切り取って、巣へと持ち去って行きました。


なかなか迫力のある光景でした。


今年はまだまだハチへの警戒が続きそうです。


富士演習林でも届かない高所に大きな巣が確認されています。


くれぐれもご注意ください。


鉄則は、慌てない、急に動かない、です。





2010年8月21日土曜日

湖畔の東屋



本日の山中湖:最低20℃、最高28℃、曇り一時晴れ


昨日と今日の二日間、運動会の学生さんたちとの共同作業で


湖畔広場の東屋を新しく建てる工事を行いました。


思い起こせば、検討を始めたのは1年前。


http://d.hatena.ne.jp/fujien/20090825/1251194106


冬にはこのために演習林内のヒノキを伐採し、


http://d.hatena.ne.jp/fujien/20100225/1267130999


ようやくここまでこぎつけました。


この東屋に作るにあたっては、二つの意味合いを込めました。


ひとつは、保健休養林を整備する過程で出る木材で、休養施設(東屋)


をいかに作れるかを検証し、自然と人工物による総合的な空間づくりの


仕組みを提示してみたい、ということです。


もうひとつは、山中寮を建て替える際に伐られた90歳を超える


木々を活かした建物にしたい、というものです。


山中寮の夏季特別開寮のため住み込みで運営している運動会の学生さん


たちをお借りして共同作業するのは、それらの木々を使って建てれば


学生さんたちにも山中寮にも、いい記念になるに違いないと


思ったからです。


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初日は、まずは柱になる丸太をボルトに通して積み上げる作業です。


これに用いた木は山中寮敷地にあったカラマツの大きな木です。


大工さんの指導のもと、どっしり重い丸太を学生さんも組み上げます。


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ノミでの加工の仕方も教わりました。


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女の子たちは、6m以上あるヒノキ材に墨付けをします。


墨壺を操る稀有な墨付けガールの誕生です。


これは屋根を支える横架材となるのですが、これにも設計通りボルト


が通るように、まっすぐ慎重に穴を開けます。


初日は柱部分を積み上げたところまでで終了。


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最後にみんなでパチリ。


二日目は、横架材のヒノキを柱の上に組んでいく(棟上げ)作業


から始まりました。


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レッカーと呼ばれるクレーン車に来てもらいました。


なかなか器用に動くので驚きました。


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その間、学生さんたちにはレッカーの下で作業してもらえないので


ベンチやテーブルを作ってもらいました。


ヒノキ材のあまりを使ってベンチを作りました。


山中寮敷地にあったミズナラをあらかじめ板に挽いてもらっていた


ものはテーブルになりました。


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棟上げの作業は午前中で終了しました。


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午後は、学生さんたちに壁になる面に丸太を積み上げて


もらいました。


「もっと大きいの!」「割ったやつを詰め込むか」


まるでパズルのように頭脳を駆使して、隙間を少なく


そして美しく積み上げられていきました。


そしてついに、


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壁面完成!!絵になる姿ですね。


予定していた今回の作業はここまで。


学生のみなさん、大工さん、本当にお疲れ様でした。


後ほど屋根をかけて完成となります。


お楽しみに。





2010年7月7日水曜日

火入れ実験



本日の山中湖:最低19℃、最高27℃、曇り


東京大学演習林所属4年生の卒論研究の一部として、3林班・シラカバ林の一部で火入れ実験が7月6日に行われました。北海道では山火事が起こると、しばしばシラカンバやウダイカンバなどが更新し、カンバ類を主体とした二次林となっている場所をよく見かけます。今回は、火が入ることによって、もともと土中に埋もれていた種子(埋土種子といいます)のうち、どのような樹種の発芽が促進されるかを調べることを目的としました。



火入れ実験では、まず、ウダイカンバ林の土壌を採取した上で、何も処理しないで土を播きだす「コントロール区」、オーブンで3時間熱した土を播きだす「加熱区」、土を播いた後、そこに火入れを行う「火入れ区」の3処理区を3反復で設定しました。また、実験区を設定したシラカンバの地面をそのまま焼いただけの処理区も一つだけ設定しています。


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天気予報では雨模様だったのですが、火入れ時間中は雨が降らず、無事に実験を終えることができました。50×50cmの範囲に3時間火入れを行ったのですが、案外、小さな範囲内でも均一に焼くことは難しいことが分かりました。学生も含めて4名がそれぞれの火入れ区の番をしながら3時間を過ごしたのですが、薪をくべたり並べたりで、不思議と退屈しませんでした。



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火入れ終了後、炭となった薪は回収して穴を掘った上で水をかけて消火しました。それぞれの処理区に“播きだし”を行った後、新たな種子が散布されるのを防ぐために、遮光率の低い寒冷紗でトンネルをつくって実験は完了しました。


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森林の中の埋土種子には、現在の森林を構成していない樹種の種子もたくさん含まれる(眠っている)ことが知られています。もしかすると一か所だけ火入れを行ったシラカバ林の土の中にも、近くには存在しないタラノキ、ニワトコなどの種子が埋まっていたならば、それらが今回の火入れによって芽を出したりするのかもしれません。今回、どんな樹種の種子が「火入れ」によって“起こされる”のか、はたまた、火が強すぎて全滅しているのか、各処理区の今後が楽しみです。





2010年6月20日日曜日

山中湖村の草山



本日の山中湖:最低17℃、最高23℃、くもり


教養学部講義の総合科目「森林―人間系の科学」の現地講義が


19-20日の二日間、富士演習林及び山中湖内で行われました。


今年は草山にターゲットを当てたテーマで学生にいろいろ


調べてもらいました。


日本ではかつて山の大半が草山だったと言われているにもかかわらず、


現在の草山の割合は1パーセント台とごくわずかです。(2005年センサス)


いっぽう、山中湖村では、4パーセントほどの草山がいまだに残っています。


・草地はどんな条件で成立するのか


・日本人は草山をどう扱ってきたのか


・山中湖村はどういう地域なのか


学生には事前にこのようなことを下調べしてから、現地講義に


臨んでもらいました。


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初日は山中湖村の草山にみんなで登って、植物観察と植生調査を


してもらいました。


山焼きによって維持されている草地と、刈り払いによって維持されている


草地をそれぞれ訪れました。


刈り払いをしているところの方が、木本植物が多いようだということ


が分かりました。


また、手が入らず草山から森林に移り変わる途中段階も観察できました。


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運よく山中湖と富士山を一望できて学生も喜んでました。


2日目は、地元の方々に昔の暮らしと草山のつながりについて


インタビューしました。


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かつての草山利用を伺わせる茅葺き屋根は、この地区ではこの1軒のみ


となっているそうです。


1年生の学生たちは奮闘しながら、今回の学習のまとめに励んでいます↓


http://lecture-wiki.ecc.u-tokyo.ac.jp/index.php?akio%2F2010





2010年6月11日金曜日

初夏の賑わい



本日の山中湖:最低気温9℃、最高気温25.3℃、快晴


林内を歩いていると、


喉の渇きをおぼえるような一日となりました。


気温の上昇とともに飛び交う虫さん達の数も増え、


顔にパチッと体当たりなご挨拶もしばしばです。


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見上げれば、フジです。ようやく咲いたんですね。


なんとも涼しげな藤色と若々しいグリーンがたまりません。


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ミツバウツギも次は私達よと言わんばかりに、


林内のあちこちで白い花が開き始めました。


鳥さん達も動きがとても活発です。


どこにいてもさえずりが響いてきます。


キビタキ・シジュウカラ・ヒガラ・ウグイス・ホトトギス・センダイムシクイ・メジロ…


なわばり争いをしているキビタキさんの動きに目を奪われていたら、


目の前にセンダイムシクイさんが現れました。


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さえずりは「チィ、チヨチヨ、ツィー」など、


特徴があってすぐに分かるのですが、


小さなオリーブ色の体のためなかなか見つけられません。


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いも虫をくわえて子育て真っ最中のシジュウカラさん。


カメラをかまえる私に警戒も忘れません。


お邪魔してごめんなさい。


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初夏真っ盛りではありますが、


富士山はまた雪が降ったようで白さが増していました。


今年はいつまで雪が残るでしょうね。