2016年7月17日日曜日

地蜂追う1日

本日の山中湖:最低18℃、最高28℃、晴れのち曇り
夏らしい暑さにしばしば見舞われるようになってきました。
こうなってくると心配なのが、蜂刺されの事故。特に地蜂(クロスズメバチ類)は刈り払い等の作業時に、それとは知らず地中の巣を踏み、怒った蜂に攻撃されることがしばしばあります。
岐阜や愛知の山間部では、地蜂をヘボと呼んで、地蜂獲りと地蜂料理に親しみ、また、若い時期の巣を掘り取って自宅で育てるのを楽しむ地域があります。そんな地方の方々に来ていただき、林内の地蜂の営巣箇所を探索し、蜂刺され事故の起きそうな巣を今のうちに除去する試みが行われました。
来ていただいたのは、全国地蜂連合会の皆さんと、恵那の農業高校のHEBO倶楽部の生徒さん+顧問の先生。高校のHEBO倶楽部は今年できたところだそうですが、防護服(ユニフォーム?)も揃っていて様になっています。
今回は、地蜂連合会のベテランさんに高校生が知識と技術を学ぶ機会となっていました。
地域文化の継承に一役買えたと思うと、喜ばしいです。
まずは、餌に地蜂の働き蜂をおびき出すことから始めます。
餌に寄ってきた働き蜂に小さな小さな肉団子に目印のこよりを結びつけたものを持たせて、放ちます。とても繊細な作業で、見ていても息が詰まりそうです。
放たれた働き蜂は自分の巣めがけて飛んでいきます。
そうしたら、目印を目当てにとにかく走って追いかけます。途中で見失いますが、そうしたら、また餌場に戻って、同じように目印をもたせた働き蜂を放し、見失ったところからまた追跡を始めます。働き蜂は、決まったルートを記憶していて、忠実に同じルートを通るのだそうです。こうして何度か繰り返すと、巣穴の位置を特定することができます。
今回は、午前中で3箇所の巣穴が特定されました。
中には、作業小屋の地面のというのもありました。こうした場所にあると、作業中に巣を刺激してしまい、蜂刺され事故が起こる可能性が高いので、掘り出して巣箱に入れて管理することにしました。
巣を掘り出す前に、巣穴から1mほど離れた地面を叩きます。こうすることによって、働き蜂は巣を防衛しようとして、巣の中にこもるのだそうです。外に出ていた働き蜂が戻るたびに、地面を叩き、なるべく全ての働き蜂が巣にこもってから掘り出しにかかります。働き蜂の多い巣では、1時間も待ち構えて地面を叩き続けるのだそうです。
掘り出した巣は木製の巣箱に入れて、我々の管理下で生育を続けてもらいます。
巣箱に入った蜂は1時間もしないうちに通い始めていました。

0 件のコメント:

コメントを投稿