2017年8月29日火曜日

森林政策学演習

本日の山中湖:最低19℃、最高28℃、晴れ
今年から農学部の森林政策学演習が、富士癒しの森研究所を拠点に行われることになりました。
今回は12名の学生が参加して、3泊4日の実習を行います。
今日のテーマは「入会(いりあい)」。
 入会の観点から、研究所内の各所を見て回りました。
そう、実はこの研究所(前身の富士演習林)は、もともと地元住民の入会地だったのです。
林内の大部分に、入会地だった時代に植えられた木が大きく成長して残っています。
土壌がむき出しの湖畔では、富士山由来の土壌が高冷地での農業をより一層厳しいものにしたことや、その結果、広大な入会山に依存しなければならなかった事情を確認しました。
湖面越しに、今も往時の入会の姿をしのぶことができました。
この実習では、富士癒しの森研究所を拠点としながらも、周辺地域の森林利用や管理の状況を広く見て回っています。






2017年8月26日土曜日

国立台湾大学からのお客さん

本日の山中湖:最低20℃、最高28℃、曇り時々晴れ
昨日から、研究のため国立台湾大学の先生とその学生さんが、研究所を訪れています。
先生方の研究関心は、この研究所のものととても近く、あらゆる角度から森林環境と人間の健康について研究されています。
今回は、ヴァーチャルリアリティ技術を応用した実験に用いるための映像素材をこの研究所内で得るために来訪されました。

今回、記録に用いられていたのが、360度全方向を録画できるカメラキットでした。
全天写真などに使う魚眼レンズカメラが二つついていて全方向の映像記録をすることができるようになっています。

いくつかの異なるタイプの森林環境を選んで、人の目の高さあたりにカメラを設置し、しばしカメラの視界に入らないところに退避して記録を行なっていきました。
このあと、どのような実験が行われ、どのような結果が出てくるのか、楽しみです。

昨日の夜には研究に関する情報交換もでき有意義な日々となりました。

2017年8月9日水曜日

センサーカメラおすすめ画像

暑いですね…。


そんなわけで涼しげな画像を1枚。



雪の中を疾走するシカです。
本当は前にもう1頭いるのですが、
静止画にするとうまく2頭入らないので…

2017年8月3日木曜日

第3回「癒しの森の植生調査隊」のお知らせ

来たる9月13日(水)、第3回「癒しの森の植生調査隊」を実施します。
これは一昨年から毎年取り組んでいるもので、実証林の植生の移り変わりを地域の皆さんとともに見守っていく試みです。

(一昨年の様子はこちら、昨年の様子はこちらをご参照ください。)
【開催概要】
・日時:9月13日10-15時(午前のみの参加も可)
・参加申込:9月4日までにメールかファックスにてお知らせ下さい。
(詳細は上記のチラシをご参照ください)
・集合および解散場所:富士癒しの森研究所事務所

(駐車場が狭いので、なるべく乗り合わせをお願いします)
・持ち物等:昼食(午前のみ参加の方は不要)、森林内を歩ける服装・靴
・プログラム
10:00 富士癒しの森研究所事務所集合
10:15-12:00 植生調査(Ⅰ林班)12:00-13:00 昼食:各自ご持参ください
13:00-15:00 富士癒しの森研究所(Ⅱ・Ⅲ林班)散策
15:00 解散

(以下、参考情報)
○実証林とは?
山中湖村(およびその周辺)にある森林の多くは、カラマツの人工林ですが、しばらく手入れがされておらず、保養の場として適さなくなっていることが懸念されます。そこで、富士癒しの森研究所では、村内に多くあるような、次第に広葉樹が混じってきたカラマツ人工林において、手入れの仕方を変えて、それぞれの森の「癒し」機能を検証するための実験区として「実証林」を設定しました。











 ※過去の実証林に関する記事はこちら


○なぜ植生調査?
森の癒し効果を大きく左右する要素として景観が考えられます。そしてこの森林景観は、どんな植物がどのように生育しているのか、ということによって変わってくることになります。たとえば、間伐して明るくなった森林では、サクラやモミジが多く生えてきたとしたら、手入れによって森林景観が変わり、「癒し」機能が変わってくる、ということになる可能性があります。こうした変化をつかむ方法として「植生調査」は有効となるでしょう。富士癒しの森研究所では、地域の皆さんと植生調査を通して、森林の手入れの違いによる植生景観の変化を継続的に見守っていきたいと思います。

2017年7月23日日曜日

全学体験ゼミナール「癒しの森と地域社会(夏)」

22日の山中湖:最低16℃、最高29℃、晴れ
23日の山中湖:最低20℃、最高23℃、曇り
この週末は、1・2年生対象の全学体験ゼミナール「癒しの森と地域社会(夏)」の現地実習が行われました。今年から始まった講義でどれほどの受講生が来てくれるか不安でしたが、10名の学生が参加しました。
この講義では、地域社会の事情を考慮しつつ「癒しの森」に関する課題を解決するようなアイデアを練り上げることが目的になっています。
今回の学生は、富士癒しの森研究所にとっても、村にとっても、地域住民や観光客にとっても、中途半端な理容管理状況になってしまっている湖畔広場について、地域住民のQOL(Quality of Life:生活の質)に資するための方策を考え出すことが課題として与えられていました。
このアイデアを出すためにアイデアソンという手法を使うことが、今回の講義の特徴です。アイデアソンとはアイデアとマラソンから作られた造語で、いくつかのプロセスを経て集中的にアイデア出し、そのブラッシュアップに取り組むワークショップの一つです。

実習では、まず研究所の林内でレクリエーション活動に適した森林を管理する上での注意点を説明し、人が集う場所の自然環境を維持するには相応のコストがかかることを理解してもらいました。

その後、学生は3つの班に分かれて、湖畔広場に関係する主要な関係者に情報収集に行きました。

湖畔広場では、利用者の代表として、頻繁に利用してくださっている方にインタビュー調査をさせていただきました。

村役場では山中湖村のまちづくり政策全般を担当されている職員の方々にインタビューさせていただきました。
大学の立場や湖畔広場の管理状況については、教員が学生のインタビューを受ける形で情報提供しました。

3箇所で得た情報をお互いに報告しあっていよいよアイデアソンの開始です。
各班に分かれて、付箋を使ったりしながら、まずはアイデアを出し合います。

その後、整理や絞り込みを行って、班としてのアイデアをポスター形式にまとめてもらいました。
3班のアイデアをそれぞれ披露してもらい、班ごとに練り上げられて来たアイデアを評価しました。どれも一長一短があるとわかったところで、一番評価の高かったアイデアをベースにさらに、全体で案の練り上げをしました。

案が出来上がったら、いよいよお披露目です。
発表会には、インタビューに答えてくれた方や、地域づくりに興味を持つ地元住民や別荘住民の方にも集まっていただきました。
学生が、アイデアを披露する方法として選んだのは、なんと寸劇。

観客の笑いを誘いながら、コンパクトに学生が考え出したアイデアを伝えることができたようです。
参加くださった皆さんには概ね好評だったので、学生も安心したようでした。実現性の点で、厳しい指摘もいただいたことも有益だったと思います。

2017年7月22日土曜日

今年も行いました

本日の山中湖:最低16℃、最高29℃、晴れ
真夏に突入していくとともに、虫たちも活発に活動します。
日々の作業ではウルシかぶれやマダニなど、色々なことに注意を払って作業をしますが、この時期、特に心配なのは蜂刺されの事故。特にクロスズメバチ類は地蜂と言われるように地中に巣をつくるため(まれに木のむろや建物の壁などに作った例もあります)、刈り払いなどの作業中、気付かず巣を踏んで怒って出てきた蜂に刺されてしまうのです。注意を払っていても、小さな黒い蜂の出入りを草むらや藪から見つけるのはなかなか難しい。

そこで今年も、全国地蜂連合会の皆さん、恵那農業高等学校のHEBO倶楽部の生徒さん(ニューフェイス4名!)と顧問の先生に来ていただき、蜂刺され事故の起きそうな巣を除去する試みを昨年と同様に行いました。

今回3つの巣を発見し、そのうち2つは、運動部の学生さんが8月から夏合宿で利用するグラウンドの隅と、植生調査を行う実証林内で、どちらも確実に人が接近する場所でした。

この写真、見つめている先に巣があり穴から出入りする蜂を見ている様子なのですが、巣の場所わかりますか?巣があっても周辺と違いがありません。作業していたり歩いている時に気が付かず踏んでしまうのをご想像いただけるかと思います。

そして今年も、全国地蜂連合会のベテランさんに高校生が知識と技術を学び体験する場として地域文化の継承に一役買えたことは嬉しい限りです。

2017年7月19日水曜日

2014年の実験結果に関する論文が発刊されました

富士癒しの森研究所では、実証林のうち、弱度間伐(15%程度)を行った区画(間伐林)と長期生態系観測のためにしばらく手を入れていない試験区(放置林)を用いて、癒し効果に関する実験を行いました。
このたび、その結果の一部が論文として公表されました。

この論文では、間伐林と放置林を比較すると、心理的な効果としてはどちらも一定の癒し効果のようなものが認められましたが、一方で、景観の評価という側面では、間伐林において明確な好評価が得られました。森林が持つ癒し効果のポテンシャルが確かめられたとともに、景観評価と心理的な効果は必ずしも並行して影響を受けるのではないという興味深い結果となりました。今後、このあたりのメカニズムを解きほぐしていくこと、また、森林管理への指針を導き出していくことが課題となってくるかと思います。