2012年3月28日水曜日

春の陽気に誘われて

本日の山中湖:最低-8℃、最高12℃、晴れ
朝はまだまだ冷え込みますが、日中は春を感じる今日この頃。
生き物の動きも活発になってきています。
部屋の中にはカメムシがブンブン。窓辺にも虫が飛んでいるのが見えます。
小鳥のさえずりも力強くなっているよう。

生き物を気配に気になりながらも、年度末の慌ただしさで、
何かと事務所の中を動き回っていたのですが…。

ふと窓の外を見ると、なんとびっくり。
シカの首!!




目が合って私も大きな♂シカもびっくり、
窓越しとはいえ、5mありません。

♂シカは数歩飛び下がり、しばし呆然としていましたが、
やはり食い意地にはかなわぬようです。

じわじわ元の位置へ戻ってきて、
↓ご覧の通り。


シカが垣根を食べていることは気が付いていましたが、
日中、それも、もの凄い勢いで食べている姿を、
こんな間近で目撃するとは予想していませんでした。
食害は外側が特にひどく、枯れてしまいそうな状態です。

その後、写真を撮る私に視線を送りつつも、
春の陽気を楽しむかのようなシカ達。
10頭弱の群れはオスだらけで、メスは1頭のみ。
今日は数時間も馬場付近に滞在しました。

ここは奈良か?シカ牧場か??という光景です。
しまいには、オス同士でツノ突きを始めました。

コーン、コンコーンと馬場にツノ突きの音が響きます。
真剣勝負ではなさそうですが、観察していると、体の大きさ、角の大きさで、
簡単に優位がついているのが分かりました。

こちらの↓写真をみてください。
左の♂シカは体の色もうすく、ツノが小さいですね。若いオスです。
右側の大きな♂シカは仕方がなく向き合っていますが、
当たる前から勝負あり。突き合うこともなく、
へっぴり腰な若いオスはすぐに逃げてしまいました。

しかし、観察することは興味深いですが、
確実にシカを見る回数が多くなっている現状は、
複雑な思いです。

2012年3月13日火曜日

着雪害

本日の山中湖:最低-10℃、最高3℃、快晴
山中湖にも寒さがまた戻ってきました。
土曜日の雪は、新聞報道によると、積雪25センチということでしたが、今回は着雪しやすい雪だったようで、あちこちに傷跡が見られました。

とくに、アカマツは、落ちた枝が目立ちました。葉っぱに雪が付きやすいんでしょうね。
落葉樹でも折れてしまった枝が結構ありました。

事務所そばのフジザクラも無残に折れてしまっていました。
着雪は、時に甚大な林業被害や、電線切断などの被害をもたらしますが、今回はこの程度で済んでよかったのかもしれません。

2012年2月28日火曜日

薪ストーブ設置

本日の山中湖:最低-8℃、最高3℃、晴れ
昨年できた作事場に、遅ればせながら薪ストーブを設置することになりました。
いわゆる時計型薪ストーブといわれる、もっとも廉価なものです。熱しやすく(冷めやすい)という特徴がありますが、こういう作業場にはむしろ適しています。
薪ストーブの命ともいわれる煙突、しっかり固定してもらいました。
一日足らずで無事に設置が完了。

火の周りの安全を願って「火入れ式」をしました。
これで、林内で処理された木が有効に利用され、湯水のごとく使ってしまっていた灯油の消費量も減ってくれることと思います。

2012年2月20日月曜日

荒山林業さん来所

本日の山中湖:最低-14℃、最高4℃、晴れ
昨日・本日と、長野県大町市で林業を経営されている荒山林業ご一行さんが来所されました。
荒山林業さんは、木材生産をしながら美しい森づくりをされていることで知られ、我々スタッフ一同、昨年の10月に研修訪問先としてお世話になっています。
今回は、富士癒しの森研究所の森の様子を見たい、森づくりの話を一緒にしたいということで訪問していただきました。
初日は、研究所の林内をひととおりご案内。長年、森と向き合ってこられた荒山さんの目はさすがに鋭く、広葉樹材としての価値や、カラマツ中腐れの問題を指摘され、勉強になりました。
カラマツの中腐れは、周辺地域全体の森づくりにも大きく関わる話なので、後日、もう少し掘り下げて調べてみたいと思います。

今月半ばの強風で生じた中腐れが原因とみられる幹折れ害。

湖畔の東屋には、荒山さんも強く興味を示され、似たような発想で東屋づくりに取り組んでみたい、とおっしゃられていました。どんなものを作られるか、興味津々です。

2日目は、スタッフ全員と事務所周りを歩きながら、情報・意見交換。荒山林業さんとこの研究所の共通の課題として、
  1. 抜き伐りを基本とする施業をする際、どのように更新をはかるのか
  2. 外部者に対してどのように森を開き、または入林を制限していくのか
というようなことがあることが確認されました。
今後とも、連携を持ちながら、ともに森づくりについて考えていきたいです。

2012年2月4日土曜日

冬の散歩みち2012

本日の山中湖:最低-17℃、最高4℃、快晴
東大の教職員を対象とした冬の特別ガイドも今年で4回目となりました。
思えば、最初の年は、2月の観測記録を更新する暖かすぎる日で、次の年は45年ぶりの雨氷に見舞われるなど、何か極端なことが起こる冬の特別ガイドでしたが、ことしはもっとも「まともな(?)」冬の一日となりました。
今回は、各部局から14人の方が参加されました。
すっきりと晴れ渡った空のもと、白銀の森の中をゆきます。
皆さん気持ちよさそうです。
おもしろい形の実がついていますね。コクサギというミカン科の木です。「臭木」というほど嫌なにおいはしませんが、独特の強いにおいがあります。
色彩の落ちついた冬の森を歩きながら、こうした木のにおいや冬芽の造形などを観察しながらの散策となりました。
今回はあまり動物の足跡は多くなかったのですが、ネズミの新鮮な足跡を見ることができたのはうれしかったですね。
お昼には、恒例となった、林内産のクルミで作ったクルミだれで、餅を賞味していただきました。
スノーシュー・かんじき体験も「歩きやすい」「おもしろい」と皆さんに好評でした。
湖畔では、富士山をバックに集合写真をパチリ。

最後に、参加者の皆さんに簡単なアンケート調査に協力していただきました。季節によって森の感じ方にどのような違いがあるのか、参加者の属性にどのような違いがあるのか、など今後データを蓄積しながら検討していくの楽しみです。



2012年1月31日火曜日

湖畔の結氷

本日の山中湖:最低-17℃、最高1℃、晴れ
大寒波の居座りが全国的なニュースとなっておりますが、山中湖が本格的に凍り始めているようで、湖畔広場から様子を見に行きました。
なんと、2、3日前までは波打っていた湖面ですが、湖畔広場から見える範囲が全面的に結氷していました。見るからに薄そうな氷ですが。
手前の湖面がうっすら白くなっていますが、雪が積もったわけではありません。
近づくと、このような「氷の華」を見ることができます。
おそらく、水面がまだ出ているところが、酷寒の冷気に触れて靄が発生し、それが湖畔を撫でる際にできたものでしょう。それにしても、何とも言えない自然の造形美です。

さて、山中湖は2006年に(2005年度の冬)全面結氷し、これが22年ぶりだったと言います。
かつてはスケートやワカサギの穴釣りが盛んだったといいますが、近年ではこれらの活動が氷上でできることは滅多にないようです。
まだ寒い日が続くようですが、今年は6年ぶりの全面結氷となるでしょうか。

山中湖の結氷条件については、研究例は少ないですが、以下の論文が参考になります。
やはり積算温度との相関が強いようですが、上の論文にある「山中湖は中栄養湖から冨栄養湖の段階に達していると推定される」という一文が気になりますね。いろんなものが溶け込んで水の融点が下がっている、ということもあるでしょうか。何せまだまだデータが少ないので、さらなる研究が待たれます。

2012年1月26日木曜日

寒い日が続きます

本日の山中湖:最低-17℃、最高-2℃、晴れ
気象庁のデータによりますと、山中湖は今シーズンで一番の冷え込み。
本当に寒い日が続きます。
昨日のことですが、この寒空の下、スタッフ全員で森の中へ。
富士癒しの森研究所では、モニタリングサイト1000という壮大な生態系調査プロジェクトに参加し、その調査区を林内に設定しています。
どんなことをやっているかというと、調査区内の木一本一本を長期的に、追っかけ調査をやっているわけです。
そのため、一本一本に番号を付けてタグを付けているのですが、これも古くなると外れたり木の中に埋もれてしまったり、ということになります。
今回はタグの更新作業をしようということで、「人海戦術」として全員でやることになったわけです。
が、、、こんなに雪降るとは思ってませんでした。
まずは道路から林内に入るところで腰の高さの雪壁を越えねばならない、という洗礼をうけます。
そして膝まで埋まる雪を漕ぎ、ちょっとの移動に息がゼーゼー。

倒れいる木もあるんでしょうが、深い雪の下で分からず、位置図との照合にもひと苦労。
そして、釘を打とうとすると、木から雪がバサーッ、そして野帳がずたぼろに…。
と、作業効率がすこぶる悪く、午前中であえなく退散、雪解けを待って仕切り直し、ということになりました。
午後は、延期となっていた実証林の検討をしましょう、ということで、懲りずにまた林内へ。
今回は、様々なデータをとるための50m四方の調査区の設定個所について、現地での確認作業をしました。
F林長補佐は、午後はスノーシューで臨みましたが、その差は歴然でしたね。
全然雪に埋まらずに楽々あるいていました。そもそも、こんな雪あるのに、ツボ足で歩くのが間違い!?
おまけ:林内で面白い雪の造形を見つけました。
まるで白ヘビがくねっているようですね。