2017年7月22日土曜日

今年も行いました

本日の山中湖:最低16℃、最高29℃、晴れ
真夏に突入していくとともに、虫たちも活発に活動します。
日々の作業ではウルシかぶれやマダニなど、色々なことに注意を払って作業をしますが、この時期、特に心配なのは蜂刺されの事故。特にクロスズメバチ類は地蜂と言われるように地中に巣をつくるため(まれに木のむろや建物の壁などに作った例もあります)、刈り払いなどの作業中、気付かず巣を踏んで怒って出てきた蜂に刺されてしまうのです。注意を払っていても、小さな黒い蜂の出入りを草むらや藪から見つけるのはなかなか難しい。

そこで今年も、全国地蜂連合会の皆さん、恵那農業高等学校のHEBO倶楽部の生徒さん(ニューフェイス4名!)と顧問の先生に来ていただき、蜂刺され事故の起きそうな巣を除去する試みを昨年と同様に行いました。

今回3つの巣を発見し、そのうち2つは、運動部の学生さんが8月から夏合宿で利用するグラウンドの隅と、植生調査を行う実証林内で、どちらも確実に人が接近する場所でした。

この写真、見つめている先に巣があり穴から出入りする蜂を見ている様子なのですが、巣の場所わかりますか?巣があっても周辺と違いがありません。作業していたり歩いている時に気が付かず踏んでしまうのをご想像いただけるかと思います。

そして今年も、全国地蜂連合会のベテランさんに高校生が知識と技術を学び体験する場として地域文化の継承に一役買えたことは嬉しい限りです。

2017年7月19日水曜日

2014年の実験結果に関する論文が発刊されました

富士癒しの森研究所では、実証林のうち、弱度間伐(15%程度)を行った区画(間伐林)と長期生態系観測のためにしばらく手を入れていない試験区(放置林)を用いて、癒し効果に関する実験を行いました。
このたび、その結果の一部が論文として公表されました。

この論文では、間伐林と放置林を比較すると、心理的な効果としてはどちらも一定の癒し効果のようなものが認められましたが、一方で、景観の評価という側面では、間伐林において明確な好評価が得られました。森林が持つ癒し効果のポテンシャルが確かめられたとともに、景観評価と心理的な効果は必ずしも並行して影響を受けるのではないという興味深い結果となりました。今後、このあたりのメカニズムを解きほぐしていくこと、また、森林管理への指針を導き出していくことが課題となってくるかと思います。

2017年7月18日火曜日

アメリカからのお客様の来所

本日の山中湖:最低17℃、最高30℃、晴れ
すっかり山中湖も真夏の様相となりました。
本日は、富士山に関する研究をされている歴史学者アンドリュー・バースタイン先生がルイス・アンド・クラーク大学の学生さんたちを連れて来所されました。
前半は、富士癒しの森講義室で、この地域の地理的特徴と、かつての土地利用について、特に入会に焦点を当てながら、解説しました。
学生さんたちは地理学を専攻しているそうで、何度も何度も質問が寄せられました。
後半は、座学で学んだことを確かめるためにも、林内を歩きながら、地質や植生の特質、人間の植生管理の影響などについて観察しました。

少々暑かったですが、気持ちの良い天気の中、充実したフィールド体験となったようです。

2017年7月12日水曜日

センサーカメラおすすめ画像

富士癒しの森研究所では東京大学演習林全体で取り組んでいる基盤データ整備の一環として、林内にセンサーカメラを設置して動物の動向を調査しております。


毎月1回くらいのペースで、おもしろい画像についてご紹介していきたいと思います。

第1回目はシカです。カエデの葉が食べたくて直立しております。

ちなみにセンサーカメラに写る動物の大部分がシカです。
おすすめ画像も、今後もシカ率が高いものと思われます。
よろしくお願いいたします。










2017年7月3日月曜日

特殊伐採の見学

建物や電線の付近に、アカマツの斜めの枯れ木があり危険な状態だったので、
業者さんに特殊伐採をお願いしました。
高さ15mくらいありそうです。



枯れ木に登り、上から順に切ってはロープで下ろすという作業です。
せっかくなので勉強のために見学させていただきました。


道具準備のようすです。さまざまな大きさのチェンソーがあります。
ロープもたくさん使います。

上のほうの作業はうまく写真が撮れなかったので、
もう真ん中くらいですが、様々なロープで安全に気を付けながら
1mくらいずつ切って下ろしていきます。
切った木を下ろす際などは、樹上の方と的確に意思疎通して
下の方がロープ操作などを行っておりました。

朝から始まって、3時前にはご覧のとおり完了いたしました。
周りの木を全く傷つけずにお見事でした。





実証林での実験結果が論文として公表されました。

2013年に実証林を整備する際に弱度の助間伐作業を施しましたが、その前後で、「癒し機能」がどう変わるのかを検証した実験結果が論文として公表されました。

<過去記事から>
間伐前:5月の実験
間伐作業
間伐後:10月の実験

Progress in Earth and Planetary Science (PEPS) という雑誌にてオープンアクセスの論文として公表されています。


2013年の助間伐整備は、軽いものでしたが、景観評価や心理効果に大きな違いを及ぼすものではありませんでした。
森林景観が遮蔽されていた時に比べて、森林景観を見ていた時に間伐前後いずれの場合にも明白な心理効果が得られたということは、カラマツ林というこの地方に多いタイプの森林がもつポテンシャルの高さを示していると見ることができるかもしれません。
より強度の間伐ではどうなるのか、良好な森林景観を維持するための間伐は、薪材生産の需要とうまく結びつくのか、といった点も今後、検証していきたいと思います。

2017年6月11日日曜日

総合科目「森林環境資源学」のフィールドワーク

10日の山中湖:最低8℃、最高27℃、晴れ
11日の山中湖:最低12℃、最高20℃、曇り時々晴れ
この週末は、東大教養学部で開講している総合科目「森林環境資源学」のフィールドワークが行われました。
この科目が当研究所で行われるのは初めてですが、21名の学生が参加してくれました。
当研究所でのフィールドワークは森林環境がもたらす「癒し」の側面に着目するもので、初日は、癒しの場として森林・緑地を見る基本的な視点を体得すること、2日目は癒しの場として森林を管理する観点を学ぶことを目的としてフィールドワークをしました。
まずは初日の様子です。

学生たちは5つの班に分かれて、研究所周辺を歩いてめぐりながら、特徴的なスポットの森林・緑地について、観察するとともにワークシートに基づいて、癒しの場として評価をするという課題をこなしてもらいました。

一口に森林・緑地といっても、様子はかなり違うので、どう違うのか、どういう人にとってふさわしい空間なのか、など、班内で話し合いながら課題に取り組みました。
この日の午後だけで7キロ以上歩きましたが、山中寮に戻ってきてから、発表会の担当を決めて、各班で発表準備に取り組んでもらいました。

各班からの発表とそれへの質疑では、人によって「癒し」の受け止め方が相当違う、ということが浮き彫りになったことが大変印象的でした。
二日目は、「管理」の方に視点を移して、まずは富士癒しの森研究所の林内を歩きました。

森に手を入れることによって、森の印象は大きく異なってくることや、管理はコストがかかることなどを解説しました。
その後、また研究所外へ足を伸ばして、山中湖村が管理する文学の森公園にお邪魔し、実際に現地の管理に携わっていらっしゃる方にお会いして、公園の中を歩きながら、管理上の苦労や工夫について教えてもらいました。

学生にとっては、目立たないけれども、こうした手間もかかり、苦労も多い仕事があって、安全・快適に来訪客が過ごせる緑地が保たれていることを知る良い機会になったと思われます。また、なぜこうした仕事を長く続けられるのかということについて、それぞれの方の思いも語っていただけたことは、何よりの学びの機会となりました。
学生はきっと多くのことを学びとってくれたことでしょう。