2022年12月18日日曜日

冬の体験活動プログラムと落ち葉焚き

17日の山中湖:最低-3℃、最高5℃、小雪

18日の山中湖:最低-2℃、最高1℃、晴れ

この週末は体験活動プログラム「森の人になろう - 森と暮らす仕事」の冬の部が行われました。

初日は、お昼近くから小雪がちらつき、天気が気がかりでしたが、外での作業には支障のない程度で済みました。

落ちてきた雪は、結晶がはっきりと見えました。

今年ナラ枯れの被害を受けて枯れてしまったナラの木が、道路に近いということで伐採してあったものを、薪にする仕事を体験してもらいました。

オノでの薪割りは、最初はおっかなびっくりでしたが、すぐにコツを覚えてくれて、用意した丸太が順調に割られていきました。

割った後は、飾りを兼ねた薪積みに挑戦してもらいました。
いくつか例を見せたのですが、どうも円形に積むのが人気なようです。
丁寧に積んでくれたので、安定した良い積み方ができました。

2日目は、この時期恒例の落ち葉焚きです。
この日は、演習林の留学生20名ほども加わって、とても賑やかな作業となりました。


焚く場所2ヶ所のうち、1ヶ所は、今回は無煙炭化器を使ってみました。

雪で全体に枯れ枝や落ち葉が湿っていたので、効率の良い燃焼を促してくれる無煙炭化器は心強い存在です。

それでも湿った落ち葉を燃やすのは、はかばかしくなく、なかなか苦労しました。
とはいえ、落ち葉をかき集める作業は、十分な人手もあり、順調にできて、藪を抑制して見通しをよくするという、景観管理の目標は達成できたと思います。
この落ち葉焚きの醍醐味は、焚き火料理にあります。

今回もカボチャの丸ごとホイル焼きや、鹿肉のロースト、ピザなどの定番メニューに加え、タンドリーチキンや鮭のちゃんちゃん焼き、鯛の塩釜焼きなど、数々の料理が並び、さすがの若者もお腹いっぱいになっていました。

日中も屋根からつららができるような寒い1日でしたが、いっぱい動いて、火にあたって、温かい料理を食べて、寒さを気にせず楽しい1日になったようです。
これで年内の催し事は最後になります。3年ぶりにコロナ前の活動に戻った今年は、慌ただしく過ぎました。
良い年をお迎えください。




2022年12月9日金曜日

ナラ枯れ丸太の製材作業

 12月8~9日の2日間で、ナラ枯れのため伐採した丸太の製材作業を行いました。

秩父演習林から技術職員2名の応援をいただき、2mに伐採したクリとミズナラの丸太計4本を簡易製材機アラスカンで板に引きました。丸太に固定したレールにチェンソーを添わせるだけの簡易なものですので、伐採現場で製材することができます。低い体勢での作業でなかなか腰にきます。皆様お疲れさまでした。

クリの製材

こちらはミズナラ

10cm厚で粗取りし乾燥させます。




2022年11月27日日曜日

全学体験ゼミ「森のエネルギーを使いこなす」2022

 26日:最低1℃、最高14℃、雨のち曇り

27日:最低1℃、最高15℃、晴れ

3年ぶりとなる、宿泊しての全学体験ゼミ「森のエネルギーを使いこなす」の実習が行われました。今回は、15名の学生が参加しました。

学生たちは、金曜の授業が終わってから、山中湖に移動し、土曜朝からの実習に備えました。

土曜の午前中はあいにくの雨。午前中の間伐体験と演習問題はあきらめ、翌日の昼食の下拵えなどをやりました。

薪割りの方は、雨が弱かったので、テントの中でなんとか小規模ながらできました。

今回は、割った薪を円形に積むことにもチャレンジしてもらいました。

聞き取り調査体験では、薪ストーブユーザーのお宅や、薪ストーブ業者さんを訪問。かなり詳しく教えてもらえて、どの班も予定されていた時間では足りないくらいでした。


夜になると空は晴れて、外での活動も安心してできました。
今回は燻製にチャレンジ。めいめいが好きな食材を持ってきて、燻製の原理を学びながら、燻製の味を楽しみました。
今回は炭焼きもやってみましたが、3年ぶりの炭窯の使用で窯がすっかり湿ってしまっていたのか、安定した煙の温度が出ずにだいぶ苦労しました。窯を開けて、できた炭の重量を測ってみると、うまくできた時の2倍の収炭率でした。これは、炭化が不完全だったことを示しています。実際燃やしてみると、今回の炭からは煙が出てしまいました。

最後は、山そうじ、つまり落ち枝集めをしながらの焚き火料理です。

かぼちゃの丸ごとチーズ焼きや焼き芋など、学生は、みんなおいしいおいしいと大喜びでした。

熾火が落ち着いた頃には、串に刺したソーセージを焼くために、みんなが仲良く火を囲んでいたのが印象的でした。

天候の不運はありましたが、十分に楽しみながら学ぶ機会となったようで、ほっと一安心です。







2022年10月30日日曜日

第2回「森の文化祭」を開催しました

 本日の山中湖:最低1℃、最高14℃、晴れのち曇り

癒しの森会との共催の「森の文化祭」は、無事に第2回目を開催することができました。

昨年は小雨の中でしたが、今年は天気に恵まれ、黄色や赤に色づきはじめた森の中での開催となりました。

去年の経験を踏まえて、今回は、森の中で文化祭をやる意味を会員で話し合い、森の中でやることがより相応しい形を少し試してみました。


今回は、作品展示・販売のプログラムを室内ではなく、森の中の空間を生かすようにしました。作品を立木に掲示したり、木と木の間に張ったロープに吊るしたり、出品者の皆さんとも話し合って、さまざまなアイデアが試されました。

森の中で、出品者と参加者の皆さんの交流も盛んに行われていました。

これは何?と思われるでしょうが、これが、今回初めて取り組んでみた企画「草木染ワークショップ」のための染色作業スペースです。
癒しの森の中で会員が集めた5種類の植物(サンショウ、ススキ、クリ、オニグルミ、メギ)から煮出した染色液が並んでいます。

参加者の皆さんには、植物の種類と、媒染液の違いを選んでもらって、個性的な色合いの染色を楽しんでもらいました。

去年もやった焚き火と焼き芋サービスですが、今年はその周囲で、少し、山仕事に関わるようなプログラムも試してみました。

チェーンソーに関するワンポイント講座は、思った以上の反響で、ひっきりなしにお客さんが立ち寄っていました。

ユニークな薪の積み方の実演もしてみました。ヨーロッパの方で行われている積み方のようで、見た目に面白いだけでなく、薪の乾燥にも良いようです。

癒しの森のガイドツアーも今回初めての試みでした。メモをとりながら真剣に解説を聞く参加者の方も多く、思った以上に濃い中身のツアーとなりました。

今年も、オープンテラスを舞台にした演奏プログラムが盛況でした。みなさん、山中湖村にお住まいの方で、「あ、あの人が」というようなサプライズもあり、観客とステージ上の演奏者との親近感のある演奏プログラムになったように思います。
また来年、より「森の文化祭」らしくなる試みができれば、と思います。


2022年10月16日日曜日

全学体験ゼミ「危険生物の知識(秋編)」2022

15日の山中湖:最低12℃、最高20℃、曇り

16日の山中湖:最低14℃、最高19℃、曇り

全学体験ゼミ「危険生物の知識(秋編)」も、3年ぶりに1泊2日でのプログラムが復活しました。10月頭に開講し、すでに千葉演習林での実習も済ませ、これで最後の実習という、非常に駆け足の日程となりました。

今回は、14名の学生が受講しました。

まずは、千葉演習林の実習で作ったハチトラップと誘引液の成果を確認しました。

誘引液は班ごとにレシピが違ったのですが、だいぶ異なる結果が出ていて興味深かったです。

オオスズメバチ、コガタスズメバチ、キイロスズメバチ、クロスズメバチなど、多様なスズメバチが確認できました。

その後、危険な植物やキノコを観察・解説するために林内へ。

今回は、キノコがよく出ていて、学生たちはついついそちらに目が奪われて、半ばキノコ狩りとなっていました。

林内で採れた植物やキノコを使った実験も、学生たちは嬉々として取り組んでいました。

写真は、植物を使った魚毒漁の再現実験です。林内散策中に完熟したサンショウの実を試食してすごい痺れを感じることを体験していましたが、これが、一番よく効いていたのには、学生たちもよく納得できたようです。とはいえ、厳密には毒とはいえない、つまり安全に食べられる魚を得る方法として継承されてきた先人の知恵の合理性は、注目に値します。

夜は、ゲスト講師によるハチの危険性に関する講義と、ハチの解剖実験です。

今年は、自分たちがハチトラップで捕らえたハチを材料に解剖実験をすることができました。顕微鏡を使って、毒針の構造を詳細に観察することができました。

最後には、実験で使った生き物を使って調理実習をしました。

この実習の3日前に、林内で駆除されたクロスズメバチの巣から幼虫や蛹を取り出す作業は、意外に人気があり、学生たちは長い時間飽きもせずに黙々と作業に取り組んでいました。

危険生物は、その危険性をどう避けるかが最も大事なことですが、人間にとっての危険性だけがその生き物の特性ではない、ということをプログラムを通じて学生たちは体得したように思います。

2022年10月13日木曜日

富士山噴火を想定した火山避難検討会

本日の山中湖:最低9.9℃、最高13.5℃  くもり

富士山噴火を想定した火山避難の検討会を行いました。富士癒しの森研究所と山中寮の職員で共同開催したものです。

令和3年3月に富士山ハザードマップが改訂されたことを受けて、山中湖で想定される噴火による災害や被災予想の確認を行い、噴火時の対応について話し合いました。また、防災備品について情報交換を行いました。

今後は、研究所の避難計画の策定など具体的な検討が必要になることを共有しました。


ハザードマップを確認しながら意見交換




2022年10月7日金曜日

機械グループ研修会

 10月5日~7日の日程で、機械グループの「枯損木の伐採と機械の点検整備に関する研修会」が開催されました。あいにくの雨模様の3日間でしたが、研究科附属施設から7名の参加があり、乗用草刈り機の点検、ロープウインチを使用した広葉樹枯損木伐採、チェンソーの整備を行いました。


乗用草刈り機の点検










チェンソーの整備

広葉樹の伐採




2022年10月1日土曜日

特別ガイド「キノコに親しむ」2022

 本日の山中湖:最低9℃、最高24℃、晴れ

曇りや雨が多かった9月でしたが、10月は爽やかな晴れでスタートとなりました。

朝はキュッと冷え込み、10℃を下回り、すっかり秋らしくなりました。

今日は、東大教職員向けの特別ガイド「キノコに親しむ」が開催され、15名の参加者がいらっしゃいました。

久しぶりの晴天の週末となったためか、東京からの道路は大渋滞。みなさん、来るまでにすっかり疲れてしまったようです。

ですが、森に入ると元気を取り戻したのが、夢中になってキノコを探していました。

今日はあいにく、キノコの出方はイマイチだったのですが、多くの目で探すと意外と多くの種類が見つかり、充実した観察をすることができました。

ちょうどクリもたくさん落ちていて、参加者の皆さんは、クリ拾いも楽しんでいかれました。




2022年9月30日金曜日

「山の幸を探る」実習

29日の山中湖:最低14℃、最高21℃、曇りのち雨

30日の山中湖:最低11℃、最高23℃、晴れ

農学部3年生の学生実習として、国際農学実験・実習Ⅰ個別実験「山の幸を探る」が1泊2日の日程で行われ、3名の学生が受講しました。3年ぶりの開講です。

この講義は、体験や実験を通じて、人間がどのように山の恵みを衣食住に生かしてきたのかを知り、考えることをテーマにしています。

実際に林内に自生している植物の中から、染料として使われてきたものを採取してきて、染色実験をしました。

見た目はただ緑の葉でも、種類によって、まったく違う色合いが出ることを確認できました。

ちょうど落ち始めたクリを拾ったり、キノコを集めたりして、山の食材を使った料理にもチャレンジしました。

山の食材にこだわりながら、なかなか豊かな食卓を用意することができました。

普段、身の回りのものは全て買うことによってまかなっている学生さんにとって、身近な自然が持つ意味を捉え直す機会となったようです。

2022年9月8日木曜日

全学体験ゼミ「東大の別荘『癒しの森』で心も体もリフレッシュ」の現地講義

 6日の山中湖 最低気温18.6度 最高気温27.7度 曇り/晴れ

7日の山中湖 最低気温19.2度 最高気温23.8度 曇り/雨

8日の山中湖  最低気温18.4度 最高気温22.7度 曇り/雨

2年目となる全学体験ゼミ「東大の別荘『癒しの森』で心も体もリフレッシュ」の現地講義が2泊3日で行われ、34名の学生が参加しました。

今回は、3日間で東京(駒場キャンパス)→ 山中湖(富士癒しの森研究所)→ 東京(弥生・本郷キャンパス)を全員で移動してプログラムをこなすという初めての試みでしたが、大きなトラブルもなく無事に終了しました。


山中湖でのプログラムでは、まず森の中での癒し体験として「ヨガマットで寝転び」、「マクロレンズで撮影」、「ハンモック」、「落ち枝焚き」、「ノルディックウォーク」を体験してもらい、その後は学生に思い思いの癒しの時間を過ごしてもらいました。途中で雨が強く降ってきてしまいましたが、そんな状況も逆手にとって“雨を楽しむ”方法を見つけてくれたようです。そして夜には、それぞれの学生の思いや癒し体験を、時に真面目に時に面白く語り合ってもらい、新たな気づきを共有してもらいました。

ヨガマットに寝転び、マインドフルネスを体験する学生

思いのほか眠れてしまい、「寝足りない!」という意見も。

ハンモック体験

ハンモックに包まれて一人で静かな時間を過ごす学生のほか、仲良く二人で浮遊感を楽しむ学生もいました。

マクロレンズ撮影

スマートフォンにクリップ式のマクロレンズを装着して撮影。芸術的センス溢れる作品を撮ってくれました。対象物に限りなく接近しなくてはならないので、みんなしゃがみこんですますね。

ノルディックウォーク体験

専用のスティックを持って森の中を散策。ただ歩くのと異なり、ズンズンと推進力を得る感覚を確かめながらウォーキング。


森の文化祭2022のお知らせ

 第2回目となる今年の「森の文化祭」は、10月30日(日)の開催を予定しています。今後、このページにて、最新情報を含め、お知らせをしていきます(10/29更新)。

雨天中止となります。中止の判断は前日(29日)の17時に行い、こちらのページでお知らせします。

明日は予定通り実施します。ぜひ奮ってお越しください。(2022.10.29)

チラシのダウンロードはこちら

●概要

・日時:2022年10月30日(日)、10時〜16時(予定)

・会場:東京大学富士癒しの森研究所・講義室

・共催:癒しの森の会・東京大学富士癒しの森研究所

・後援:山中湖村教育委員会

会場に駐車場はありません。お車でお越しの方は村役場駐車に駐車の上、秋の散歩を楽しみながら会場にお越しください。以下の会場・アクセスマップをご参照ください(アクセスマップにある村役場脇の公衆トイレは現在使えません。会場のトイレや付近の観光トイレをご利用ください)。

マップのダウンロードはこちら

●内容(プログラム)

    ①演奏

        <演奏プログラム>※
        10:30-11:00 山中湖バロックアンサンブル
        11:00-11:30 ほそわり!!男塾
        (他のプログラム)
        14:30-15:00 フラウト・ドルチェ
        15:00-15:30 コールふじまりも
        ※1グループあたりの時間枠は30分ですが、これには楽器等の準備、撤収の時間を含んでおります。

こちらから演奏プログラム資料をダウンロードできます。この資料は会場でも配布いたします。

    ②野外展示・作品販売(講義室前の森林空間を活用した展示をします)
  • 犬甘游玄さんの書道作品
  • 天野俊洋さんの木工作品
  • 秋元光世さんのハンドクラフト
    ③染色ワークショップ

身近に採取できる植物を染料にした染色体験ができます。
開催時間:12:30-14:30(随時受付、最終受付は13:30)
参加費:300円(ハンカチ一枚)
場所:富士癒しの森講義室内

     ④焚き火語り場

文化祭会場を整備する際に出た落ち枝を活用して焚き火をする語り場を用意します。
焚き火の焼き芋サービスがあります(カンパ制)。
チェーンソー目立てワンポイント講座や、ログキャンドルの販売も予定しています。

     ⑤癒しの森ガイドツアー

癒しの森を、研究所スタッフや癒しの森の会会員のガイドでめぐります。
開催時間:11:30-12:30
参加費:無料
出発・帰着場所:富士癒しの森講義室前

●ご来場の皆さまへ(より楽しむためのヒント)

・飲食販売はありません。会場での飲食をご希望の方は、ご持参ください。
・焚き火スペースをより楽しみたい方は、焼きたい物(マシュマロなど)を、ご持参いただくと良いでしょう。
・森の中での演奏を座って聞きたい方や、ゆっくり休みたい方は、折りたたみ椅子や敷き物などをご持参ください。

2022年8月30日火曜日

体験活動プログラム2022

29日の山中湖:最低16℃、最高24℃、曇り一時雨

30日の山中湖:最低17℃、最高24℃、曇り一時雨

夏の終わりの本学の体験活動プログラム「森の人になろう」の夏の部が行われ、4名の学生が参加しました。

このプログラムの夏の部が行われたのは、コロナの影響で3年ぶりとなりました。

今回、学生さんたちに体験してもらった作業は、枯損木の伐採、東屋の丸太入れ替え、乗用芝刈り機での芝刈り、スローラインによる枯れ枝除去でした。

枯損木の伐採は、半ば見学でしたが、倒す方向を学生どうしで検討してもらって、牽引するためのロープ設置の作業は体験してもらうことができました。

東家の丸太入れ替えでは、林内から枯損木の丸太を運び出して、丸太の大きさに応じて工夫しながら、新しい壁面を作り出してもらいました。

芝刈りは、ちょっとしたゴーカートのような感覚で、楽しかったようです。

途中雨が降ってきた時には、サンショウの倒木を保管していたものを使って、すりこぎづくりを体験してもらいました。このプログラムは冬の部もありますので、次に来た時には、子のすりこぎを使った料理体験をしてもらうといいかもしれません。

2022年8月4日木曜日

吉田高校の課題研究2022

 3日の山中湖:最低18℃、最高33℃、晴れ

4日の山中湖:最低19℃、最高25℃、雨

今年度の吉田高校の課題研究のための現地活動が、この2日間行われました。

初日は、山中湖の観測史上最高気温に並ぶ厳しい暑さでしたが、2日目は一転して雨のため涼しい1日となりました。

今回は、研究所で取り組んでいるナラ枯れ防除試験を題材に、この夏休み期間でできることをやってみることとしました。

初日はちょうど別のナラ枯れ関連の試験で、トラップに設置したカシノナガキクイムシを収集する作業が行われていたので、同行させてもらい、トラップに付いたカシノナガキクイムシを回収する作業を体験したり、ナラ枯れによって起こるさまざまな現象を観察してもらいました。

午前中に見学した試験では、粘着テープがミズナラの木に隈なく巻かれています。

ミズナラに寄ってきたカシノナガキクイムシがこの粘着テープに捕まるというわけです。他の虫もたくさん捕まってしまうので、その中から小さなカシノナガキクイムシを見つけ出して、ピンセットで回収していきます。

去年枯れたミズナラの根元からはカエンタケが発生していました。もちろん食べてはいけませんが、触ってもいけないという注意事項を高校生にも知ってもらうことができました。

初日の午後は本題のナラ枯れ防除試験に関する作業を、研究所の職員と一緒にやってもらいました。この試験は、ヒノキなどの精油成分を用いて、ナラの木にカシノナガキクイムシが飛来しないようにできるのでは、という仮説に基づいて行われています。高校生には、試薬の継ぎ足し作業と、粘着テープによるトラップの張り替え作業を体験してもらいました。

中には、すでにカシノナガキクイムシが飛来し、穿孔されてしまっているものがありました。それについて、小さな粘着テープトラップでは、有効なデータが取れないこともあるため、話し合って、一定の幅に限定してその中で確認できる穿孔をピンでマークして計数する方法を試してみました。


2日は雨のため室内作業に徹して、これまでこの試験で回収した粘着テープに付いたカシノナガキクイムシを数えよう、ということになりました。

今回は、オスとメスに分けて数えることに挑戦しようということで、その特徴を確実に覚えるために、計数の前に写生に取り組むことにしました。あまりに小さいので細かい特徴を確認するのに苦労しましたが、マクロ撮影をした写真も参考にするなどして、描き上げることができました。

いよいよ計数です。まずは、回収されていた粘着テープを試験木ごと、試験期間ごとに分類してオスとメスに分けて、付着したカシノナガキクイムシの数を確認していきました。

得られたデータは表計算ソフトで簡単な集計作業をしてみるところまでやって、今回の現地での活動は終了となりました。