2018年1月30日火曜日

全学体験ゼミ「森のエネルギーを使いこなす」2017

28日の山中湖:最低−16℃、最高2℃、晴れ
29日の山中湖:最低−10℃、最高3℃、晴れ
30日の山中湖:最低−12℃、最高0℃、曇り一時雪
今年も教養学部の講義、全学体験ゼミ「森のエネルギーを使いこなす」の現地講義が2泊3日の日程で行われました。
今回は受講生5名ということで、かなり少なかったですが、意欲の高い学生ばかりで、とても充実した実習内容となりました。

初日はまず、薪割り。様々な道具を使って薪割りに取り組みました。
とはいっても、体積の計測をする演習が目的です。
定尺に切られた丸太を円柱とみなして、直径を計測したのち、薪割りをしています。

割った後の薪を積んだ後で、積み上がった薪の体積を計測します。
これを「層積体積」と呼び、空隙を含んだ体積を求めることになります。
実際の体積が割って積むことで、どれだけかさばるようになるのかを知るためのプログラムでした。

夕方には、近くで薪ストーブを使っていらっしゃる方のお宅を訪問し、インタビュー調査の体験をしました。
薪ストーブの温かみに直に触れられただけでなく、今後の人生にためになるようなお話も教えていただけたことは大きな収穫でした。
2日目は炭焼きをしつつ、その裏で別の活動もしました。

このところの冷え込みで、炭窯に火を入れても、出て来る煙の温度はしばらくマイナスの温度。どうなることかと思いましたが、1時間もすると、煙の温度が順調に上昇するようになり、軌道に乗りました。

雪の中で、間伐体験。なんとか、一人1本ずつは切り倒すことができました。
切り倒した木は、様々な計算問題をするために、計測しデータを取りました。

お隣の村にもお邪魔し、温泉の加熱用薪ボイラーに使われる原木が運び込まれる「木の駅」を見学し、こうした仕組みが山村地域にある意義や、その背景にある想いなどについて、学ばせてもらいました。

最終日の早朝には、有志の学生とスノーシューを履いて湖畔へ。
湖面のところどころに氷が漂い、厳冬期ならではの景色を経験してもらうことができました。

炭焼きは順調に進行して、最終日朝には予定通り窯明けをすることができました。
入れた原木の重量に対しての、できた木炭の重量の比率、収炭率は16パーセント弱。
これはちょっと低い値ですが、品質としては、堅くしっかりと焼き上がった良い炭ができました。

最後に打ち上げとして、薪や炭を用いた昼食です。
今回のメインはピザ。前夜から生地も仕込んで、薪窯を使ってのちょっとしたピザ職人体験となりました。
今回も学生たちは体験と演習課題を通じて、エネルギーのこと、森林のことを深く考えるきっかけとなったようでした。

2018年1月26日金曜日

センサーカメラおすすめ画像

2018年初めてのセンサーカメラおすすめ画像です。
今年も月1回くらい更新したいと思います。

今回はシカです。



5頭の行進です。
行進は結構見られますが、全部一度に写るのはなかなか貴重かもしれません。

ちなみに今年に入ってからの映像です。

2018年1月24日水曜日

木酢液と薪ストーブの灰を提供いたします。

学生実習で炭焼きをする際に採取している木酢液と、研究所事務所で使用している薪ストーブの杯を、ご希望の方に無償でお分けします。
◎木酢液

畑での散布等にご活用いただけます。
1.5リットルあるいは2リットルの容器でのお渡しになります。

◎薪ストーブの灰

畑の肥料や、凍結路面の滑り止めなどにご活用いただけます。
純粋な灰ではなく、小さな炭のかけらも混じっております。
一般的なゴミ袋に入れた状態でのお渡しになります。

希望される方は、平日昼間(9〜17時)に事務所にお越しいただき、職員にお伝えいだければ無償提供させていただきます。

いずれも、数に限りがありますので、ご所望の方はお早めにいらしてください。
欠品の場合はご容赦ください。

2018年1月23日火曜日

本格的な積雪

本日の山中湖:最低−10℃、最高4℃、晴れ
昨日は、この冬で初めて本格的な降雪となりました。

積雪はおよそ30センチくらいで、車もすっかり雪に覆われています。
昨日の降雪中の気温は−3℃〜−4℃くらいと低かったので、木々への着雪は限定的でした。
このような降り方であれば、大雪となっても樹木の雪害の心配はほぼありません。

それでも、冬でも葉を付けているアカマツなどには多くの雪が積もっています。
落葉しているカラマツ(写真右)と比べると一目瞭然です。
これまでも湿った雪が降った時には、アカマツが特異的に折れる被害を受けています。

今日は除雪に追われる1日となりました。

2018年1月12日金曜日

チッパーの公開デモ

本日の山中湖:最低−14℃、最高0℃、快晴
明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。
新年となりはじめてのイベントは、チッパーの公開デモです。
研究所で悩みの一つに、景観管理を実施している林分などでの枝の処理があります。

現状は、数カ所に集めて野積みしているので、見た目として目障りに映ることがあります。
研究所ではこれまで、焼却による処理やチッパーによる処理を検討してきました。
(過去の灌木や枝条の処理実験の様子はこちら(焼却)こちら(チッパー)にあります。)
最近は小型で処理能力の高いチッパーが出ているということで、新たなチッパーの購入を検討するために、メーカーの方に来ていただいてでも運転をしてもらうことになりました。
せっかくの機会なので、公開デモとして周辺地域の興味を持つ方にも参加していただけるようにしました。

本日は厳しい冷え込みながら、周辺地域の方9名が集まりました。
思った以上に、興味を持っていらっしゃる方が多いことに驚きました。
みなさん、周辺の森が雑然としていることが気になっていたようです。
メーカーの方に一通り、チップが作られる原理や捜査方法を説明していただいて、早速実演です。

野積みしてあった枯れ枝を投入口に軽く挿入すると、すぐに砕かれたチップが勢いよく吐き出されてきました。

投入した枝は自動でゆっくり送り込まれて行くので、安全性が高い機械であることが確認できました。
今回は直径10センチ未満の枝が中心でしたが、最大で直径13センチまで対応できるということで、林内の枝や灌木を処理するには十分な能力だと思われました。

出来上がったチップにもみなさん興味津々でした。
堆肥に使えるのか、木質バイオマス発電にも使えるのか、歩道の敷材として使えるのか、など次々に質問が飛び交っていました。
こうした小型機械で作られるチップは、発電には使えないものの、堆肥には最適で、歩道の敷材には固着材を使えば活用可能ということでした。

比較対象として、これまで使ってきた古いチッパーも動かしてみました。
こちらの方が、音が大きいにもかかわらず、処理速度もはかばかしくないことが確認できました。

出来上がったチップを比べてみました。
上が今回のデモに持ってきていただいた機械によるものです。
粒の大きさがより揃っていて、尖った形状のものがないことがわかります。
参加いただいた地域住民の方は、グループで所有したり借用したりできないか、などと意見交換されていて、参加者の方にとっても有意義なデモ見学となったようです。