2012年8月23日木曜日

潅木類の処理実験(その1)

本日の山中湖:最低15.7℃、最高29.5℃、快晴

抜けるような青空、そしてほぼ無風。火を焚くには最高の条件、のような一日ですが、いまは真夏。そんな時に果敢にも盛大な焚き火に挑戦しました。

今年の試験研究の一つに、潅木類の処理方法の検討があります。林内の見通しを良くするために、数年に一度、潅木類を刈り払うのですが、これを林内に放置せず、処理・利用するとどうなるか、という検討です。
潅木類はとにかく「かさばる」のが難点です。いかにこれをコンパクトにするか、というのが処理のかなめになってくると思われます。
処理・利用のタイプは2通りを想定しました。
1.燃焼:灰、炭として減容化され、また、燃焼中は料理などする利用方法も期待できます。
2.破砕:チップとして減容化され、敷材などとしての利用方法も期待できます。

今日はその1番目の処理方法について実験を行いました。こんな夏の天気のいい日に…。
まずは、潅木類の量の計測。

0.25haの実証林の設定をした際、刈り払っていた潅木類を持ちだして積んであったものの層積体積(空気を含んだ体積)を測ります。およそ24立法メートルありました。

準備ができたら、ひたすら燃やします。
我々が使ったのは、長野のメーカーさんが作っている「無煙炭化器」というもの。
単純な形状のステンレスの輪っかですが、すごい勢いで燃え、熾きとして下に燃え落ちて行きます。温度も高く、時おり、赤外線温度計で測っていたら、800℃を超えることもありました。脇で記録係をやっていても、もう汗ダラダラです。

熾きがたっぷりたまったら、消化して、消し炭をならして体積を計測します。
この一連の作業を2セットやりました。暑いのに。。。
結果、一回の作業に1.5~2時間かかること、この日およそ4.6立法メートルの潅木類を処理したという計算になりました。消し炭として残る体積の割合はわずか4%程度でした。こんなに減るんですね。
どれだけの森林の面積をきれいにできるかという観点で見たときには心もとないかもしれませんが、逆に、この熱を利用する観点からみると、こんな細い木で、これまで見捨てられていたもので、十分すぎるくらいの熱利用ができる、という実感がありました。
あれだけたっぷりの熾きがあれば、これまで学生実習などでやっていた蒸し焼き料理などで何時間も楽しめます。
森のエネルギーのポテンシャルを感じる実験でした。欲を言えば冬にやりたいですね。


0 件のコメント:

コメントを投稿