2018年7月3日火曜日

クサボケ増殖プロジェクト始動

本日の山中湖:最低16℃、最高28℃、晴れ
山中湖の皆さんは、かつてからクサボケを「シンドメ」と呼んで、その実を食材や民間薬として親しんできました。
いまは森が茂ってきたせいか、なかなか採れないものとなり、若い世代では知らない人も多くなってきました。
地域おこしに取り組む住民団体が今年度の事業として、クサボケの特産化に取り組んでおり、そのお手伝いをさせていただくことになりました。

今日は、その第一歩ということで、まずは増殖するための挿し木技術の講習会を、田無演習林の先生の協力を得て実施しました。
まずは、クサボケの枝を採取するところからやりました。

クサボケは林内の草むらに紛れるようにして生えています。
どのような特徴があるのか、確認し、見分けられるようになってもらいました。

勢いよくまっすぐ伸びている枝の、せいぜい3年生くらいの部分で採取します。
古い枝や元気のない枝は、挿し木には向かないのだそうです。
本来は梅雨の時期にやりたかったのですが、あまりにも早く夏空がやってきてしまったので、採取してすぐ濡れ新聞に包むなど、注意を払いながら採取作業をしました。

今年の実の付きは良くないようですが、2〜3センチに成長した若い実がわずかに見られました。

採取してきた枝は、室内に移動してすぐ、穂木の調整と「水あげ」の作業に取り掛かりました。
枝を10センチ前後に切り分け、土にさす部分(下の方)を中心に適宜葉を取りのぞいて穂木を作ります。間を置かずそれを水の中に浸けて「水あげ」をします。これには、穂木に水を吸い上げさせる目的と、植物自身が出している発根阻害物質を水の中に出してしまう目的があるのだそうです。

「水あげ」を十分にしたら、いよいよ挿し付けの作業です。
穂木の下端に水の吸い上げと発根を促すような切り込みをしてから挿し付けをします。

細かめの鹿沼土を入れ、十分に水を吸わせた苗床に割り箸で穴を開け、そこに穂木を挿し付けていきました。
挿した後、根本の土をぎゅっと押し込んで、穂木の切断面と土がしっかり接触することが大事なのだそうです。
この後、この苗床は、直射日光を避け、湿った状態を保つように注意深く養生をして活着するのを待つことになります。
初めての試みですが、うまく元気の良い苗がたくさんできればいいですね。

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