2019年7月27日土曜日

海南大学サマープログラム2019

26日の山中湖:最低18℃、最高27℃、曇り時々晴れ
27日の山中湖:最低20℃、最高25℃、雨
去年に引き続き、中国の海南大学の一行がサマープログラムのため来訪しました。
25日の夕方に山中湖に入り、26日は朝から演習林を飛び出して、終日アクティブなプログラムです。
午前中に向かったのは富士山の五合目。世界遺産の富士山を知るということで、文化と自然の両面からじっくり富士山の生の姿を見てもらいました。

まず五合目では、かつての登山者が必ず立ち寄った冨士山小御嶽神社を見学しました。
かつて人々が富士山に寄せた思いの一端を垣間見てもらうことができたのではないかと思います。
今度は植生の垂直分布を実際に歩いて高低差を実感しながら観察してもらいました。

まずスタートは森林限界から。
樹木は生えていても、強風の影響を受けて横になびき、高く成長できません(風衝樹形といわれます)。
そこで、富士山の山頂が望めるか、と期待したのですが、残念ながら、半分は雲が立ち込めて見ることができませんでした。
ここから高度を下げて行き、亜高山帯針葉樹林が発達するさまを見ながら、やがて広葉樹を多く含む冷温帯の上部にまで至りました。

途中、道に倒れた針葉樹の倒木の断面を観察することができました。
その年輪の細かさにみんな興味を惹かれたようでした。
なにせ彼らが来た海南島は熱帯ですから、こんなに目の細かい木材は珍しいことでしょう。

そして午後は、一転して、人の手によって植生が変化してきた場所として、草山を歩いてもらいました。
ここは、本来の植生帯としては冷温帯の広葉樹林が広がっていておかしくない場所ですが、毎年の火入れによって草原植生が今も保たれています。
こうしたところに、日本の生活文化とゆかりの深い植物が豊富にあることも確認してもらいました。かなり中国と共通する植物利用もあるようです。

27日は一転して、台風が接近して雨模様。風があまり強くなかったのが不幸中の幸いでした。
午前中は小降りだったので、研究所の林内を巡りながら、「癒しの森」としてどのような管理が行われているかを中心に見学してもらいました。

管理というとコスト一辺倒になってしまいがちですが、スギの枯葉を拾い、それを火起こしに使う体験などをしてもらうことで、それは「恵み」や「癒し」を得ることと兼ねることができるということを理解してもらいました。
午後はすっかり雨も強くなってきたので、室内をベースにして、遠隔地でも森の様子を知ることができるシステムについて講義を聞いたあと、実際にライブカメラを設定する実習をやってもらいました。

学生の表情は常に生き生きとしていて、多くのことを学んでもらえたようです。

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