2021年1月5日火曜日

ナラ枯れ被害木の乾燥試験

本日の山中湖:最低−8℃、最高5℃、晴れ時々曇り 明けましておめでとうございます。 冷え込みもさほど厳しくなく、穏やかな1年の始まりを迎えましたが、今週後半からは厳しい寒さとなりそうです。 さて、昨年は多くのナラ枯れ被害が発生し、一部の木は危険回避のため、伐倒処理を行いました(過去の記事はこちら)。 山中湖村では、被害木を薪として村内利用することが一つのナラ枯れ被害木対策になりそうだということで、当研究所で、薪として利用する場合に、どのくらいで使えるようになるのか、乾燥実験をすることにしました。
まずは、12月に伐倒された被害木をとにかく割りまくります。 落葉後の、最も水分の少ない時期とは言え、割ってみると、材の内部はじっとりと湿っているのがわかります。 なお、これまで厳寒期に薪割をすると、この水分が凍っているのが観察できるのですが、まだ凍っていないので、今年の冷え込みはまだまだだということもわかります。 ともかく、このように割ることによって、ナラ枯れの運び屋であるカシノナガキクイムシの幼虫が木材の外に這い出して死亡するということが知られています。 なるべく細かめに割ることが、虫をはい出させるには大事なようです。 万全を期すには、この薪をカシノナガキクイムシが成虫となって飛び出す初夏までに燃やしてしまうことが理想ですが、その為には、十分に乾燥しなければなりません。 山中湖のような寒冷地で冬場に割った薪を短期間で十分に乾燥させることができるのか、ということで、ビニールハウス(温室)と野外の薪だなとに積んだ薪の乾燥過程を試験することにしました。
ビニールハウスは、インターネットで安く買えるものを、事務所近くの最も日当たりの良いところに設置しました。 ずいぶん軽量なものだったので、風で飛ばないよう、ロープを張って固定しました。 ビニールハウスができたら、ハウス内への薪の積み込みです。
薪を積むと、ナラ類特有の木の香りがハウス内に充満しました。 この後、さらに温湿度計をハウス内に設置して薪の乾燥試験がスタートしました。 今後、ハウス内外の気象データ、薪の重さ、外水率を測っていく予定です。 ハウスの内と外でどのくらい気象条件が変わるのか、乾燥の進み具合がどのくらい違うのか、興味深く見守っていきたいです。

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