2021年12月15日水曜日

シカの試験捕獲

 本日の山中湖:最低−6℃、最高10℃、快晴

すっかり冬らしい毎日となってきた山中湖です。


昨日はみぞれが降り、その後濃霧が発生して冷え込んだため、今朝は霧氷がきれいにみられました。木の表面についた地衣類もきれいに霜を見にまとっていました。

本日は、研究所初の試みとして、山中湖村と共同してシカの捕獲に取り組みました。

周辺地域では、活発に管理捕獲が実施され、奥山の方ではかなりシカの生息頭数が抑えられているそうですが、逆に、人の生活エリアでシカが増えているそうです。

研究所に設置した定点カメラでも、シカの増加傾向が確認されていますし、林内の下層植生はこのところだいぶ淋しくなってきました。周辺でもシカによる庭の植物への被害や、交通事故はよく聞かれる話で、人の生活エリアでのシカの管理が目下の課題となっています。

今回の試験捕獲のテーマは、こうした課題に対応するものですが、いかにスマートにシカの頭数管理につなげるか、ということが研究所として検討したいポイントでした。

10年間撮り溜めた定点カメラによるデータから、今回の時期、時間帯が絞り込まれ、本日を迎えました。

本日は朝7時からドローンを飛ばし、研究所とその周辺の森の中でどのあたりにどのくらいのシカがいるのか把握しようと試みました。

撮影が終わってドローンが戻ってきたら、記録メディアを取り出して、パソコンと大型モニタを使ってすぐ再生します。今回は、熱に応じて色分けをして撮影されるサーマルカメラも用いました。普通のカメラだと、シカの毛色が地面の色と同化してしまって全く確認できないような状態でしたが、サーマルカメラの映像でははっきりとシカを確認することができました。

今回は、20数頭がある程度固まっていることが確認できました。猟師さんが一堂に会したミーティングで、ドローンで観察した結果を共有して、猟師さんたちがそれぞれの配置につきました。

射手が配置がつくと、共有されたシカの位置情報を念頭に勢子が配置についてシカを追い立ていきます。こうして、射手がいる方へシカを追い込む予定だったのですが、今回は、勢子が全て配置に着く前に、シカが林外に逃げ出してしまい、空振りに終わってしまいました。

捕獲には至りませんでしたが、事前にシカの生息状況を把握して、それを捕獲作業につなげることに関しては、大きな手応えを感じました。今後また、山中湖村と協議して、さらなる試験を検討していきたいと思います。



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