2020年10月25日日曜日

全学体験ゼミナール「森のエネルギーを使いこなす」2020

24日の山中湖:最低2℃、最高14℃、曇りのち晴れ 25日の山中湖:最低−1度、最高15℃、快晴
霜と氷の季節を迎えた山中湖は、いよいよ木々が色づき、秋も終盤となってきました。 この週末の2日間、研究所で10年ほど行われてきた東京大学1・2年生対象の講義、全学体験ゼミナール「森のエネルギーを使いこなす」の現地講義が行われました。 今年はコロナ禍の影響で開講が危ぶまれましたが、これまでキャンパスで行っていた講義はオンラインで、現地講義は日帰りで、とプログラムを大幅に組み直して開講に漕ぎ着けました。 17人の受講生を土曜日に9人、日曜に8人とグループ分けして、それぞれ同じプログラムで体験・学習してもらいました。 学生たちは、さらに2班に分かれて、一方は薪割り、一方は薪ストーブ利用家庭の聞き取り調査を行いました。
聞き取り調査では、はじめて見る薪ストーブを前に、薪はどのように手に入るのか、メンテナンスはどうなっているのか、どんな良さがあるのかなど、リアルな薪ストーブ生活をさぐる質問が学生たちから次々に飛び出しました。 後半では、風呂焚きと焚き火・調理実習の班に分かれて作業をしました。
風呂焚きを担当した班では、湯船に入れた水の量と温度を計測して、希望の温度まで上げるために必要なエネルギー量を計算。 その計算と、エネルギー効率の推定をもとに、必要な薪の量を申告してから、その量の薪を使って風呂焚きの体験をしました。
煙突から出る煙の色などを見ながら、焚き方を試行錯誤していました。 お湯の温度の上がり具合が気になって、頻繁にかき混ぜ、温度を測っていました。 土曜日の班ではなんと、申告量通りで希望のちょうどいい温度のお湯にすることができました。
焚き火担当の班では、まず、焚きつけとなる杉の葉集めから。 自分で火を焚きつけるのは、みんなはじめてということで、どうしたらマッチ一本でうまく焚き火になるのかを話し合ってもらってから、焚き火を実行してもらいました。
なかば強引な手法もありましたが、なんとか無事に着火でき、枯れ枝をどんどん投入して盛大な焚き火にすることができました。
お楽しみの調理実習では、恒例のカボチャの蒸し焼きづくり。 ハロウィーンも近いということで、カボチャを丸ごと使った料理に学生たちはテンションが上がります。 これを焚き火でできた大量の熾火の中に埋めて、1時間ちょっと放置。
最後は、薪がまで焼いたピザと、蒸し焼きカボチャで早めの夕食。 森のエネルギーを使った料理を存分に楽しんでもらえました。 学生たちは、お互いが今回がはじめての対面の機会ということで、コミュニケーションに心配もありましたが、そんなのは全く杞憂でした。 すぐに打ち解けて仲良くなり、ワイワイと実習を楽しんでいました。 心底、対面での学習に飢えていたように見えました。 オンライン続きの今年の大学教育ですが、改めて現場での教育活動の大事さを気づく良い機会になりました。

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